2019年4月2日火曜日

【2019/5/20施行】SI単位の定義改定!

2018年に発表され、ニュースになった単位の定義の改定が、2019年5月20日に施行されました。
SI単位は一般計量士の試験に出ますが、これまでの過去問や参考書には改定前の定義が載っているので、これから試験対策をする人は気をつけましょう。



今回大きく改定されたもの

  • キログラム
  • アンペア
  • ケルビン
  • モル

特にキログラムは、これまでの原器(国際キログラム原器)に基づく定義から、基本物理定数に基づく定義へと大きく変わっため、非常に注目されました。




実質的には現行と同じで、表現だけが改められるもの
  • メートル
  • カンデラ






定義について

キログラム


旧定義:キログラム (kg) は質量の単位であり、国際キログラム原器の質量に等しい。

新定義:キログラム (kg) は質量の単位である。その大きさは、単位 s−1·m2·kg(J·s に等しい)による表現で、プランク定数 h の数値を 6.62607015×10−34 と定めることによって設定される。この変更により、キログラムの定義はメートルの定義に依存することになった。



アンペア


旧定義:アンペアは、無限に長く、無限に小さい円形断面積を持つ 2 本の直線状導体を真空中に 1 メートルの間隔で平行においたとき、導体の長さ1メートルにつき2×10−7ニュートンの力を及ぼしあう導体のそれぞれに流れる電流の大きさである。

新定義:アンペア(A)は電流の単位である。その大きさは、電気素量eの数値を1.602176634×10−19と定めることによって設定される。単位はCであり、これはまたA·sに等しい。



ケルビン


旧定義:熱力学温度の単位ケルビンは、水の三重点の熱力学温度の1/273.16である。

新定義:ケルビン(K)は熱力学温度の単位である。その大きさは、単位s−2·m2·kg K−1(J·K−1 に等しい)による表現で、ボルツマン定数kの数値を1.380649×10−23と定めることによって設定される。




モル


旧定義:モルは、0.012 kgの炭素12に含まれる原子と等しい数の構成要素を含む系の物質量である。モルを使うときは、構成要素が指定されなければならないが、それは原子、分子、イオン、電子、その他の粒子またはこの種の粒子の特定の集合体であってよい。

新定義:モル(mol)は物質量の単位である。1モルは正確に6.02214076×1023 の要素粒子を含む。この数値は単位mol−1による表現でアボガドロ定数 NAの固定された数値であり、アボガドロ数と呼ばれる。



旧定義:秒は、セシウム133原子の基底状態の 2 つの超微細準位間の遷移に対応する放射の周期の 9192631770倍の継続時間である。

新定義:秒(s)は時間の単位である。その大きさは、単位s−1(Hzに等しい)による表現で、非摂動・基底状態にあるセシウム133原子の超微細構造の周波数ΔνCsの数値を正確に9192631770と定めることによって設定される。



メートル

旧定義:メートルは、1 秒の1/299792458の時間に光が真空中を進む長さである。

新定義:メートル(m)は長さの単位である。その大きさは、単位m·s−1による表現で、真空中の光速度cの数値を正確に299792458と定めることによって設定される。



カンデラ


旧定義:カンデラは光度の単位であり、周波数540×1012ヘルツの単色放射を放出し、所定方向の放射強度が1/683ワット毎ステラジアンである光源のその方向における光度と定義される。

新定義:カンデラ(cd)は光度の単位であり、その大きさは、単位s3·m−2·kg−1·cd·srまたはcd·sr·W−1(lm·W−1 に等しい)による表現で、周波数540×1012 Hzの単色光の発光効率の数値を683と定めることによって設定される。










単位の誕生や、科学技術と単位の発展についてわかりやすく解説されています。
また「キログラム」だけではなく、2019年に施行されるSI単位の新定義について詳しく書かれています。

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